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VPS.org GPU特集 / 2026年10月6日確認
GPU WORKLOADS

GPU VPSの用途別ガイド
何ができて、何に向かないか

GPU VPSは「AIを動かすサーバ」だけではありません。LLM推論、画像生成、音声認識、動画変換、3Dレンダリング、LoRA微調整、データ処理まで、用途ごとに「24GBのGPU1枚で足りるか」「先に何を確認するか」を整理しました。

結論:VPS.orgが案内するGPUは、NVIDIA Tesla P40(24GB VRAM)1枚です。推論・画像生成・動画変換・LoRAなどの小〜中規模の用途には向きますが、大規模モデルの学習や、24GBに載らないモデルには向きません。2026年10月6日時点では注文できず(公式ページは「近日公開」)、料金も未公開です。
現在の提供状況:公式ページには「GPUサーバはまだ注文できません」と書かれ、利用できる時期は問い合わせで案内されます。料金とGPUの契約条件は、注文開始時に公開されると記載されています。このページでは、公式で確認できた仕様をもとに「使えるようになったら何に使えるか」を整理しています。

用途別の早見表

用途具体例(公式が挙げるもの)24GB・GPU1枚先に確認すること
LLM推論Ollama、LLaMA系モデル7B〜13Bは余裕、34Bは4bitで可、70Bは不可モデルの重み容量とKVキャッシュ
画像生成Stable Diffusion、ComfyUI向く解像度・同時生成数・保存容量
音声認識Whisper向く音声ファイルの量と処理時間
動画変換FFmpegのGPU処理(NVENC)向く使うエンコーダの対応
3DレンダリングBlender、Maya向くシーンのVRAM使用量
学習・微調整PyTorch、TensorFlow、JAX小型モデルとLoRAは向く、大規模学習は不向きモデルサイズとバッチ
データ処理・科学計算CuPy、XGBoost、CUDA/OpenCL単精度なら向く計算が単精度で足りるか
AI開発環境Jupyter、VS Code Remote向くフレームワークがGPUに対応するか

用途1:LLM推論(自分のAIチャット・API)

手元のPCにGPUがなくても、GPU VPSでOllamaやvLLMを動かせば、自分用のAIチャットやAPIを持てます。最初の判断は「そのモデルが24GBに載るか」です。重みの容量は、パラメータ数 × 1パラメータあたりのバイト数(FP16は2、8bitは1、4bitは約0.5)で単純計算できます。

モデル規模FP168bit4bit24GBに載るか(重みのみ)
7B約14GB約7GB約3.5GBすべて載る
13B約26GB約13GB約6.5GB8bit・4bitなら載る
34B約68GB約34GB約17GB4bitのみ(余裕は小さい)
70B約140GB約70GB約35GB載らない

※重みだけの単純計算です。実際は会話の長さに応じたKVキャッシュと実行環境の分が別に必要で、ツールやモデルによっても変わります。余裕を見て選んでください。

APIとして公開する場合は、推論サーバーのポートを直接公開しないでください。VPS.orgはDoS対策を含めていないと明記しているため、認証付きのゲートウェイを前段に置く設計が必要です(vLLMでLLM APIを公開するときの注意点)。入力データの扱いはローカルLLMのプライバシーも確認してください。

用途2:画像生成(Stable Diffusion・ComfyUI)

公式はStable DiffusionとComfyUIを対応例として挙げています。必要なVRAMはモデルと解像度で大きく変わるため、数字を決め打ちせず、解像度と同時生成数を段階的に上げて、VRAMの使用量を測るのが確実です。チェックポイントやLoRAのファイルを置くストレージ容量も先に確認します。生成物の著作権や、利用するモデルのライセンスは自分で確認します。

用途3:音声認識(Whisper)

公式は音声認識を用途に挙げ、Whisperを対応例に載せています。会議の録音や動画の文字起こしを、手元のPCを占有せずに任せたい場合に向きます。処理する音声の総時間と、1件あたりの処理時間を最初に計り、GPUを使う時間を見積もります。録音データに個人情報や秘密情報が含まれる場合は、保存先と削除のタイミングも決めておきます。

用途4:動画変換・3Dレンダリング

公式は、NVENCによる動画トランスコードの高速化、BlenderやMayaでの3Dシーンのレンダリングを用途に挙げています。手元のPCで何時間もかかる処理を、サーバに投げて任せる使い方です。処理の量が少ないと、GPUの料金のほうが高くつくこともあるため、素材の容量、処理時間、同時ジョブ数を先に測ります。対応するエンコーダ(コーデック)は公式ページに記載がないため、使うFFmpegのエンコーダで事前に確認してください。詳しくはGPU VPSで動画変換・3Dレンダリングにまとめています。

用途5:LoRAなどの微調整・学習

公式は、24GBのTesla P40は大規模な学習よりも、小型モデルとLoRAの微調整に適していると説明しています。PyTorch、TensorFlow、JAXでの学習は可能ですが、モデルが大きいほどVRAMが不足します。学習の前に、モデルサイズ・バッチサイズ・学習時間を見積もり、24GBに収まらない場合は設計を変えます。

用途6:データ処理・科学計算・開発環境

DifyをGPU VPSで動かす実装手順

結論:Dify本体にGPUは要りません。GPUが必要になるのは、Difyが呼び出す「ローカルのLLM(OllamaやvLLM)」を自分のサーバで動かすときだけです。Difyの公式手順(Docker Compose)の最小要件は「CPU 2コア以上・RAM 4GiB以上」で、GPUは求められていません(Dify公式ドキュメント、2026年10月7日確認)。

構成は3通り。最初はAだけで足ります

構成GPU向く人注意
A:Dify+外部のLLM API不要まず試作したい初心者プロンプトや入力文が外部APIに送られます。APIの利用料は従量課金です
B:Dify+同じGPU VPSでOllama必要(24GB・1枚)入力データを外に出したくない、APIの従量課金を避けたいDifyとモデルでメモリとVRAMを分け合います。Dify側はRAM 4GiB以上
C:標準VPSにDify、別のGPU VPSにモデルモデル側のみDifyだけ常時稼働し、GPUは必要な間だけ起動したい2台分の管理が必要。モデルのポートは公開せず、接続元を絞ります

本記事の現時点では、VPS.orgのGPUは注文できません(2026年10月6日確認)。そのため、AとCのDify側は今すぐ標準VPSで試し、モデルの置き場だけを後からGPUに切り替える進め方が現実的です。

GPUの選定基準:24GBに載るかを先に決める

設定手順(構成B:同じサーバでDifyとOllama)

1. サーバを作るOSはUbuntu LTS(公式がドライバーの成熟度から案内)。NVIDIAドライバーとCUDAツールキットを自分で入れ、nvidia-smiでGPUが見えることを確認します。
2. モデルを動かすOllamaを入れ、24GBに載るモデルを1つ取得して、サーバ上で応答することを確認します。
3. Dockerを用意するDify公式の要件は、Linuxで「Docker 19.03以上・Docker Compose 2.24.0以上」です。
4. Difyを起動する公式手順は、リポジトリを取得してdockerフォルダに移り、cp .env.example .envのあとdocker compose up -dです。docker compose psでコンテナが起動していることを確認します。
5. 管理者を作るブラウザでhttp://サーバのIPアドレス/installを開いて管理者アカウントを作ります。公開する前に、HTTPS化とアクセス元の制限を決めます。
6. DifyにOllamaをつなぐ設定の「モデルプロバイダー」からOllamaを追加し、モデル名とBase URLを入れます。DifyをDockerで動かしている場合、localhostはOllamaではなくDifyのコンテナ自身を指すため、接続エラーになります。Difyの公式案内に沿って、http://host.docker.internal:11434のようにホスト側のアドレスを指定します(環境によってはホストのIPアドレス)。Ollamaが外部コンテナからの接続を受け付けるかどうかはOllama側の設定なので、Ollama公式の案内も確認してください。
7. アプリで試すDifyでチャットアプリを作り、さきほどのモデルを選んで1往復だけ試します。ここで応答が返れば、あとはナレッジやワークフローを足していきます。

コスト試算のしかた(GPUの料金は未公開)

VPS.orgのGPU料金は公開されていないため、この記事では金額を示せません。公開されたら、次の式で外部APIとの損益分岐を確認します。

費用の項目構成A(外部API)構成B(GPU VPS)
サーバ標準VPS(Difyのみ。RAM 4GiB以上のプラン)GPU VPS(料金は注文開始時に公開予定)
モデルの利用料トークン量に応じた従量課金サーバ料金に含まれる(モデルは無料のものを使う場合)
停止中の費用サーバを削除すれば止まる公式は「削除すれば課金が止まる」(標準プラン)。GPUが同じか要確認

損益分岐の考え方:「1か月に使う外部APIの料金」が「GPU VPSを1か月動かす料金」を超えるなら、構成Bが安くなる可能性があります。逆に、使う回数が少ないうちは、外部APIのほうが安く済みます。なお、モデルの利用規約(商用利用の可否)は、取得するモデルごとに自分で確認します。

初心者向けの注意点

向かない用途・注意が必要なケース

ケース理由(公式の記載)
24GBに載らない大きなモデルVRAMは24GB(GDDR5)で、GPUは1枚。複数GPUは現在使えません
大規模な学習公式が「大規模な訓練より、小型モデルとLoRAに適する」と説明
最新のフレームワーク前提の環境Tesla P40はPascal世代(計算能力6.1)。使うフレームワークが対応しているか、自分で確認する必要がある
公開サービスをそのまま運用DoS対策は含まれていない。公開するなら前段で保護する
標準VPSの環境をそのまま移したい標準VPSからGPUへのアップグレードは不可。新しいサーバを作り、データをコピーする

契約前に確認するチェックリスト

1. 提供状況注文できるか。公式ページが「近日公開」でないか、問い合わせの返信条件は何か。
2. 料金と課金GPUの料金と契約条件は未公開です。標準VPSは時間課金(月672時間が上限)で契約なし、とあるため、GPUも同じか確認します。
3. 環境づくりNVIDIAドライバーとCUDAツールキットは自分で入れます。最も成熟したドライバーパッケージがあるUbuntu LTSが案内されています。
4. モデル・ツールの対応使うモデルのVRAM、フレームワークのバージョン、Pascal(計算能力6.1)への対応を確認します。
5. 停止と削除公式は「いつでもサーバを削除でき、削除すれば課金が止まる」と説明(標準プラン)。使わない間は削除し、必要なデータは先にバックアップします。

よくある質問

GPU VPSとは何ですか?

物理GPUを1台の仮想サーバに割り当て、AI推論・モデルの微調整・動画変換・レンダリングなどに使えるサーバです。VPS.orgの説明では、GPUはPCIeパススルーで1台のサーバに専有され、他の利用者とは共有されません。

VPS.orgのGPU VPSは今すぐ使えますか?

2026年10月6日時点では注文できません。公式ページは「近日公開」で、最初のGPUはNVIDIA Tesla P40(24GB VRAM)と案内され、利用開始の連絡は問い合わせ経由です。料金とGPUの契約条件は、注文開始時に公開されると書かれています。

NVIDIAドライバーは最初から入っていますか?

入っていません。公式の説明では、必要なバージョンのNVIDIAドライバーとCUDAツールキットを自分でインストールします。最も成熟したドライバーパッケージを持つUbuntu LTSが案内されています。

標準のVPSからGPU VPSに切り替えられますか?

できません。GPUサーバは別のGPUノードで動くため、移行するときは新しいサーバを作り、データをコピーします。

24GBのVRAMで70Bクラスのモデルは動きますか?

重みの容量だけを単純計算すると、70Bモデルは4bitでも約35GBになり、24GBには載りません。実際にはKVキャッシュなども必要なので、余裕を見て選びます。

DifyをGPU VPSで動かすにはGPUが必須ですか?

必須ではありません。Dify本体は、公式の最小要件がCPU 2コア以上・RAM 4GiB以上です。GPUが要るのは、OllamaやvLLMなどローカルのモデルを自分のサーバで動かすときだけです。外部のLLM APIにつなぐ構成なら、GPUなしで使えます(実装手順)。

関連:DifyをVPSで使う/自分専用のAIチャット/社内文書のRAG

出典:VPS.org公式GPUページ(2026年10月6日確認)。GPUの提供状況・仕様・料金は変わるため、申込み前に必ず公式の最新情報を確認してください。

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