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移行・引越しガイド / 2026年10月3日更新
VPS MIGRATION GUIDE

VPS移行ガイド
ダウンタイム最小化と安全な手順

VPS移行はデータ損失・サービス停止のリスクが伴います。この記事では、事前準備から移行後の確認まで、ダウンタイムを最小化しながら安全に引越しするための手順を解説します。

この記事はLinux(Ubuntu/Debian/Rocky Linux)環境を前提にしています。手順は環境によって異なる場合があります。
移行のゴールを先に決める:DNS切り替え後に旧サーバーを削除する前に「新サーバーで同じURLが正常に表示されること」を必ず確認します。焦って旧サーバーを削除するとロールバックができなくなります。
Phase 1 / 事前準備

移行前のチェックリスト

TTLの事前短縮について:DNS切り替え時に古いIPが浸透するまでの時間を短くするため、移行の24〜48時間前にDNSのTTLを300〜600秒(5〜10分)に変更しておきます。切り替え後に問題がなければTTLを元の値(3600秒等)に戻します。
Phase 2 / データ移行

ファイルの移行(rsync)

ファイル移行には rsync が最もトラブルが少ない方法です。SSH経由でファイルを転送します。

# 旧サーバーで実行(新サーバーへ転送) rsync -avz --progress /var/www/html/ user@新サーバーIP:/var/www/html/ # 特定のディレクトリを除外する場合 rsync -avz --exclude='cache/' --exclude='tmp/' /var/www/html/ user@新サーバーIP:/var/www/html/
本番切り替え直前にもう一度 rsync を実行する:最初の転送後も旧サーバーでファイルが更新される場合があります。DNS切り替えの直前に差分のみを転送する rsync を再実行して、最新状態に揃えます。

データベースの移行(MySQL/PostgreSQL)

MySQL の場合

# 旧サーバーでダンプ(全データベース) mysqldump -u root -p --all-databases > all_backup.sql # 特定のデータベースのみの場合 mysqldump -u root -p データベース名 > db_backup.sql # 新サーバーへ転送 scp db_backup.sql user@新サーバーIP:/home/user/ # 新サーバーでリストア mysql -u root -p < /home/user/db_backup.sql

PostgreSQL の場合

# 旧サーバーでダンプ pg_dumpall -U postgres > all_postgres.sql # 新サーバーでリストア psql -U postgres < all_postgres.sql
⚠️ ダンプファイルには認証情報やパスワードが含まれる場合があります。ファイルは転送後に安全に削除し、公開ディレクトリには置かないでください。

設定ファイルの移行

Nginx・Apacheなどの設定ファイルは直接コピーするのではなく、内容を確認しながら新サーバーで再設定することを推奨します。旧サーバーと新サーバーでOSやパッケージのバージョンが異なる場合、設定の互換性に問題が出ることがあります。

# 旧サーバーの設定を確認してコピー cat /etc/nginx/sites-available/default cat /etc/nginx/nginx.conf # 新サーバーで設定を作成・テスト nginx -t # 設定ファイルの構文チェック systemctl reload nginx
Phase 3 / 新サーバーの動作確認

hosts ファイルで先に確認する

DNSを切り替える前に、ローカルの hosts ファイルを使って新サーバーの動作を確認できます。

# Mac/Linux: /etc/hosts を編集 # Windows: C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts を編集(管理者権限) 新サーバーのIPアドレス example.com 新サーバーのIPアドレス www.example.com

ブラウザで https://example.com を開くと新サーバーが表示されます。確認が終わったら hosts ファイルの追記行を削除してください。

Phase 4 / DNS切り替え

DNS変更の手順

  1. ドメインのDNS管理画面(レジストラまたはDNSサービス)にログインする
  2. AレコードのIPアドレスを旧サーバーのIPから新サーバーのIPに変更する
  3. TTLを300〜600秒に設定して保存(事前に変更済みなら確認のみ)
  4. 変更後5〜10分待ってから複数の環境(PC・スマートフォン・別ネットワーク)でURLにアクセスして確認する
  5. SSL証明書が新サーバーで正しく動作していることを確認する
  6. 問題がなければ旧サーバーはすぐに削除せず72時間以上待つ
Aレコード以外の確認:メールを使っている場合はMXレコード、CDNを使っている場合はCNAMEレコードも確認してください。DNS変更の影響範囲を必ず事前に確認します。
Phase 5 / 確認と後片付け

移行後の確認チェックリスト

全項目を確認してから72〜168時間(3〜7日)が経過したら旧サーバーを削除します。

よくあるトラブルと対処法

⚠️ DNS切り替え後もサイトが旧サーバーのまま表示される
DNSキャッシュが原因です。PCのDNSキャッシュをフラッシュ(ipconfig /flushdns または sudo dscacheutil -flushcache)して再確認します。解決しない場合はモバイル回線など別ネットワークで確認してください。TTLを事前に短縮していれば1〜10分で切り替わります。
⚠️ データベース接続エラーが出る
新サーバーのDB接続情報(ホスト・ユーザー名・パスワード・DB名)を確認してください。WordPressの場合は wp-config.php の接続情報が旧サーバーのものになっている可能性があります。MySQLのユーザー権限(GRANT文)が新サーバーで適切に設定されているかも確認します。
⚠️ SSL証明書のエラーが出る
Let's Encryptを使用している場合、新サーバーで再発行が必要です。certbot certonly --webroot または certbot --nginx で取得します。ドメインがまだ新サーバーIPに向いていない状態では発行できないため、DNS切り替え後に実行してください。
⚠️ 旧サーバーのみ削除したらメールが届かなくなった
メールサービスのMXレコードが旧サーバーIPを参照していた可能性があります。MXレコードを新サーバーまたはメールサービスのホスト名に更新してください。移行前のDNS確認で見落とされやすい項目です。
⚠️ 移行後にサイトが遅くなった
新サーバーのスペック・PHP/Nginx設定・OPcacheの有効化・データベースのインデックスを確認してください。旧サーバーで動いていたキャッシュプラグインやCDN設定が新サーバーで有効になっていない場合もあります。
⚠️ 旧サーバーは移行完了後すぐに削除せず、最低72時間は保持してください。問題が発覚したときにDNSを戻してロールバックできます。

Hyonixへの移行手順(国内VPSから海外VPSへ)

海外VPSへの乗り換え先として挙がりやすいのがHyonixです。ただし、この記事のrsyncやMySQLの手順(Linux前提)は、そのままではHyonixに使えません。Hyonixは公式でWindows専用(Linuxは選べない)だからです。先に次の判定をしてください(公式情報・2026年10月4日確認)。

移行できる人・できない人
  • 移行できる:国内のWindows VPSで、FXのEA(MT4/MT5)やWindowsアプリを動かしている人。Windows同士の引っ越しです。
  • 移行できない:Linux VPSでWordPressやNginxを動かしている人。Hyonixにはそのまま載せられないため、Linuxのまま使えるVPSを選びます(乗り換え先VPSの選び方)。

手順1:拠点を選ぶ(国内から海外に移すとき)

東京(Equinix TY8)・ニューヨーク(NY2/NY4)・ロンドンなど、18拠点から選べます。公式にテスト用のIPが公開されているので、契約前に自分の回線からpingを打って比べられます(拠点の選び方(pingで比べる))。FXなら、取引サーバーに近い拠点が候補です。拠点は後から変えにくいので、最初に決めます。

手順2:契約して、旧サーバーは残したまま始める

返金の対象は「初回1サーバー・7日以内・月払いか3か月払い・PayPalかカード」で、チケットで申請します。暗号資産とAlipayでの支払いは対象外です(返金と請求の詳細)。7日以内に新サーバーで動作を確認し切るつもりで、旧サーバーは解約せず残しておきます。

手順3:RDPで接続する

2026年7月8日以降の新規注文では、RDPのポートが標準の3389ではありません。届いた案内のポート番号を、接続先にIPアドレス:ポート番号の形で入力します(RDP接続の手順)。初回ログイン後にパスワードを変更します。

手順4:データを移す

  1. 旧サーバーで書き出す:アプリの設定とデータのフォルダを洗い出して、圧縮します。MT4/MT5なら、メニューの「ファイル → データフォルダを開く」で表示されるフォルダ一式が対象です(EAはMQL4\Experts・MQL5\Experts)。
  2. 新サーバーに運ぶ:RDPの「ローカルディスクの共有」を有効にして、ドラッグ&ドロップで転送します。量が多いときは、圧縮ファイルを1つにしてから送ります。
  3. 新サーバーで開く:MT4/MT5を入れてから、データフォルダに展開します。口座へのログインは、手元のログイン情報で入り直します。
  4. 動かして確認:EAが「自動売買を許可」で緑のスマイルになることと、ログにエラーがないことを確認します。

手順5:同時稼働に注意して切り替える

EAを旧サーバーと新サーバーで同時に動かさないでください。同じ口座で二重にポジションを取る原因になります。新サーバーで動作を確認したら、旧サーバー側のEAを止めてから、新側の自動売買を有効にします。

手順6:Webサイト・メールを置いていた場合

移行失敗を避けるチェックリスト

乗り換え先VPSの選び方

移行先を選ぶ際は、現在の環境の課題を明確にしてから比較することで、同じ問題を繰り返さない選択ができます。

現在の課題見直すべきポイントおすすめの選択肢
月額コストが高いスペックの無駄遣いがないか確認。1ランク下でも要件を満たせる場合が多いさくらVPS・ABLENET・海外VPS
レスポンスが遅い / レイテンシ問題サーバー設置地域・帯域幅の保証確認国内DCのVPS(ConoHa・さくら・Xserver)
管理が難しい管理画面の使いやすさ・テンプレートの豊富さConoHa VPS(国内最も直感的)
障害が多い / 安定性不足冗長性・SLA・過去の障害履歴を確認GMOグループ(ConoHa)・さくらインターネット
スペックを増やしたい(CPU・RAM)プランの上限・スケールアップの自由度Vultr等の海外VPS(低価格高スペック)
バックアップが不十分自動バックアップオプション・スナップショット機能ConoHa(スナップショット機能あり)

乗り換え前の事前確認チェックリスト

移行のタイミング:アクセスが最も少ない時間帯(深夜1〜5時台)に作業を始めると、ダウンタイムが発生した場合の影響を最小限にできます。あわせて移行作業前にSNS・サービスページで「メンテナンス予告」を出すと、ユーザーへの影響を最小化できます。
次の判断:移行先を比較する

必要な容量・バックアップ・サポート条件が整理できたら、同じ条件で国内VPSを比較します。まだ予算が決まっていない場合は、先に費用見積もりを確認してください。

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